噛み合わせ治療(咬合治療)とは
歯をできるだけ長持ちさせたい、食事に困らないようにしたいという気持ちは患者様も私達医療従事者も変わりません。
平成元年より8020運動といった、80歳になっても20本以上の歯を残そうという運動があります。
8020を達成している方のほとんどは正常咬合であり、咬合に問題のある方は達成していないことが多いです。
また、咬合が確立していない場合、歯の移動、歯の破折を引き起こしたり、歯周組織や顎関節にダメージを負ってしまったりすることがあり、さらなる不正咬合や歯の脱落、顎関節症の原因になることもあります。
当院では、life stageや残存歯の状況に応じて、その方にあった方法を検討させていただきます。
歯を失っている場合、噛み合わせ治療(咬合治療)をしていく上で、インプラントが必要になることも多々あります。
今一度ご自身の歯を長く使うためにも、咬合を見直してみませんか?
咬合とは
咬合とはちょっとしたことでズレを生じてきます。
1本の歯のう蝕や欠損により、歯の移動や傾斜を引き起こし、咬合状態が変わってきてしまいます。
つまり、咬合のズレを最小限にとどめるためには、早期治療が必要ということになります。
ただ、う蝕や欠損に対しての治療だけを行なっていると、なぜそこにう蝕ができたのかや、なぜそこの歯を失ったのかという原因を追求しなければ、またう蝕を作ってしまったり、治療して入れた人工物も壊れてきてしまいます。
咬合とは1本の歯では成り立ちません。ダメージを負ってしまっている歯が一本であっても、全体を俯瞰した治療計画が必要になるのではないでしょうか。
顎関節症とは
顎関節症とは、あごの関節とその周囲の筋肉に痛みが出たり動きが悪くなる疾患です。
- 口を開けると痛む
- 口が開かない
- あごで音がする
- ものが噛みにくい
- 歯ぎしりをする
さらに症状は顎ばかりでなく、肩こり、腕や指のしびれ、偏頭痛、耳や鼻にも不快感を覚えることもあります。
以上の症状のうち少なくとも一つ以上あるときは顎関節症の可能性があります。
顎関節症の原因
歯ぎしり、姿勢や癖、ストレスなど複数の要因が重なっておこると考えられています。
ただし、顎関節症の原因の大半は、不正咬合(噛み合わせの悪化)によるものです。
顎の位置にずれが生じると、骨や筋肉に多かれ少なかれ負担がかかります。
この状態は自然に解消されるわけではありません。
噛み合わせの不調和
歯の噛み合わせが正常でない場合、顎関節に過度の圧力がかかり、痛みや炎症を引き起こす場合があります。
顎関節の損傷
事故や外傷によって、顎関節自体が傷つくことが原因になる場合があります。
顎関節の炎症
炎症性疾患や関節リウマチなどの病気が、顎関節の炎症を引き起こす場合があります
ストレスや緊張
顎の過度の緊張やストレスが、顎関節症の症状を引き起こす場合があります。
歯ぎしり
歯ぎしりが続くと、顎関節に過度の圧力がかかり、痛みや炎症を引き起こす場合があります。
関節円板の異常
顎関節内にある円板が正常に機能しない場合、痛みや不調和を引き起こす可能性があります。
関節の異常発育
顎の成長や発育が正常でない場合、顎関節症の原因となることがあります。
その他の疾患
顎関節症は、他の病気や疾患(例: 風邪やインフルエンザの影響)によっても引き起こされる場合があります。
顎関節症の原因は個人差があり、複数の要因が影響することもあります。
噛み合わせの不調は、個々の状況によって異なります。
焦らずゆっくりと治療することが大切です。
顎関節症の治療法
ナイトガード治療
ナイトガードは、透明の特殊なプラスチック製の装置です。
通常は夜間(夜眠る時)に歯を保護し、噛みしめによる歯の損傷や顎関節の痛みを防ぐために使用します。
ナイトガードを装着することで、ナイトガードの厚みの分だけ噛み合わせの位置が高くなりますので、リラックス状態に近づけることが出来ます。
ナイトガードを使用することで、睡眠中の無意識な歯ぎしり・食いしばりから歯を守ります。
低周波治療
低周波を顎の筋肉に照射して、顎関節周辺の筋肉をほぐします。
筋肉がこわばることで症状が悪化しているケースには特に効果的です。
噛み合わせのコントロール
生活習慣以外にも、噛み合わせが悪化する原因が見つかることがあります。
当院では詰め物やかぶせ物の周辺にほどよい噛み合わせを取り戻す調整も行っております。
顎関節症治療の流れ
STEP1 検査
顎関節の状態や噛み合わせを検査します。
STEP2 治療計画の説明
検査結果をご説明し、治療計画をご提案します。
STEP3 治療
治療計画にご納得いただけましたら、治療を開始します。
STEP4 治療の評価
治療の効果が出ているかを評価します。
必要に応じて治療計画を変更します。
STEP5 終了
「3」「4」を繰り返し、症状が改善したら終了です。